看取り

看取り (在宅での看取り)

つくしんぼ会では、毎年40人前後の患者さんをほとんど全て在宅でお看取りしています。私共が関わりを始めた当初は、約10%の方が病院での最期を希望されます。
しかし、関わりの中で最終的には全ての方が在宅での旅立ちを希望されるようになります。

家で死ぬことについては、家族への遠慮、世間体(家で死ぬと警察の検屍があるという誤解)、心身の苦痛への不安などがあります。
しかし、私共の協力で家族が焦りなく淡々と介護されるようになり
見舞いの人達に家で過ごせる幸せを語られ、
家族との触れ合いを今まで以上に実感しながら、困った時には24時間いつでも、
医師や看護師が駆けつけてくれる環境が整い、
在宅死は病院死をはるかに凌ぐ充実したものになっていきます。
さらに、警察の検屍を受けることなど無いことを、
医療機関が保証することが大切です。

  • ご家族が安心出来る看取り

全ての職員が在宅看取りに自信を持ち、同じ信念の下に行動するようになって、患者、家族の安心感が増し、痛みや苦痛の訴えが激減しました。
患者の病像は近頃ますます重症になっているので、おそらく統一的看護介護が実を結んだものと思います。

私達は、在宅で看取りを行う家族の支えになるように、独自に「在宅看取りの手引書」を用意しています。家族は、これを基にお互いに話し合い、心構えをするよいきっかけになったと言われています。長いものですので、ここに、その前文をご紹介します。

この手引書は、初めて在宅で大切な方をお見送りされる方々に、その不安を少しでも解消して頂くために作成しました。看取りは本人にも私たちにも、悲しみと不安を与えます。

大切なことは、送られるご本人が心身の苦痛を感ずることなく最期の時間を過ごせるように環境作りをしていくことです。その環境作りのため、見送る私たちが心構えをする一助になればと思います。

しかし、手引書を理解する以上に一番大切なことは、いつもご家族が寄り添い、手を握り、話しかけることです。これは、ご本人が家族の絆を感じ取り、不安や孤独を癒す最も有効な手段になります。看取りの主役はご家族であり、医療者は陰で支える脇役です。

 では、看取りに必要な知識を学びましょう。

(「在宅看取りの手引書」前文抜粋)