つくしんぼ通信 令和2年12月号
*予想通り寒さとともに新型コロナウイルス感染が拡大し始めました
家族内感染が多く、家族全員感染というケースも見られています。当初懸念されていた要介護者(介護を受けながら生活している人)の感染についても今のところはスムーズに入院受け入れ先を確保できているようです。しかしこのままのペースで感染が拡大すると第1波の時のように受け入れ先を探すことが困難となり家族が感染することを覚悟で介護を続ける事態も想定されます。なんとかそんな事は回避したいものです。感染はほぼ飛沫感染でマスクをしていれば予防できそうです。唾液のウイルス量はとても多いためPCR検査にも利用される程でこの唾液を介しての感染も注意しなければなりません。これらに配慮すれば感染はだいたいコントロールできると考えられます。
ワクチンは来年3月以降接種が始まる予定になっています。これまでのワクチンのようなウイルス本体を注射するものではなく、ウイルスの構造の一部に対する抗体を作るmRNA遺伝子を注入するものです。自分の体でウイルスの重要構造に対する抗体を作らせるもので、ウイルス本体は体に注入されないので副反応は小さいと考えられ、あるとすれば添加物などに対するアレルギー反応などが主なものと思われます。また、イギリスで報告されている変異型コロナウイルスでは大きな変異が見られるとワクチンが効きにくいという可能性がありますが詳しい情報がないのでなんともいえません。欧米で大規模接種が始まりましたので、日本の接種開始時には安全性、有効性のデータが揃っているはずです。
*ジェネリック医薬品の小林化工の水虫の薬に、睡眠薬が混入した問題
製造過程で発生した原料の抗水虫成分のロス分を補う際に誤って睡眠薬の成分原料を入れてしまったとのことです。実は薬剤の製造工程で不足した成分を補うこと自体が禁止されています。当たり前のことですが薬には有効成分の他に各種の添加物が加えられており、途中で混ぜ物をすると他の成分との構成比率が変わり、品質が一定ではなくなります。今回も混和後の成分はほとんど睡眠薬になっていたそうです。最初に混和したものだけで製造し、後で混ぜ物をすることなど言語道断なのです。さらに混和に関わっていた職員は無資格だったそうなのでチェック機能も働きませんでした。こうしたことが大手ジェネリック医薬品メーカーで行われていたことは驚きです。皆さんにジェネリック医薬品について聞かれたとき伊勢丹で買うか、スーパーで買うかの違いですと説明していましたが、これでは伊勢丹と怪しい裏の偽ブランドほどの違いがあって許される商品ではありません。さらにこの薬を内服された方々が何件もの交通事故を起こされていたそうなのでひどい話です。
ジェネリック医薬品については、価格は先発医薬品の数割と安いのですが、私は過去の経験から自分自身はジェネリック医薬品を内服することはまずありません。但しジェネリック医薬品の中にも優れたものもありますので全てを否定するものでもありません。
ジェネリック医薬品は特許の切れた先発品と同じ成分の模倣薬です。添加物や製造方法は同じではないため先発品とは効き目の違いがあります。また今回のように品質管理が甘いような工場で製造されるものもあると聞きます。20年前に見たジェネリック医薬品工場では駄菓子が作られるような光景でした。安いものを使うか、高いものを使うかは使う本人が決めることですが、私共も一つの先発品に数十のジェネリックがあるため、どれが優れているのかわかりません。皆様の声を聞かせていただき、情報収集しています。ジェネリック医薬品がお嫌な方は医師にお申し出ください。